「キャンパス」後編の岸田隆宏作画
以前アダルトアニメ漁りをしていたときに見つけたのだが、「キャンパス」という美少女ゲーム原作のアダルトアニメの後編に岸田隆宏氏が原画で参加していた。
岸田氏と共にスタジオゑびすに在籍していたことのある大河原晴男氏が監督なので、その縁で参加したのではないだろうか。
キャンパス 後編
監督:大河原晴男
脚本:真壁六郎太
絵コンテ:宇崎拓郎
原画
東雲タクミ 井上善晴 風田三郎
石倉啓一 岸田隆宏 大河原晴男
岸田氏の担当パートは、戦国時代のシーン。ソースがあるわけではないが、絵の癖などからして間違いないだろう。
画像では省いたが、侍が姫に露出したペニスを突きつけるカットなどもあり、岸田氏が描くペニスというレアなものが見れたりもする(日本で出ているVHSではモザイクがかかっているが)。
作画的な白眉は、二つある倒れこみ作画。
まず一つ目のカットだが、姫を陵辱しようとしていた侍が突然後ろから刀で刺されそのまま死亡するカット。突然刺殺されているため刺された直後は表情が変わらないが、すぐに顔の力が抜け顎がだらしなく垂れ下がり、そして血を噴き出して倒れこむ。わずか2秒ほどのカットだが、芸が細かく、情報量の多いカットである。
二つ目のカットは、傷ついた兵士が力尽き倒れこむカット。虚ろな目のまま頭が前後に揺れる描写を入れることで、この兵士の意識がすでに朦朧としており精根尽き果てていることが示されている。自然な脱力の表現が実に上手い。
突然殺され勢いよく倒れこむ一つ目のカットと、自然な脱力によりゆったりと倒れこむ二つ目のカット。同じ「倒れこみ」という作画でも、それぞれのカットの内容に応じた描き分けがきちんとなされているところが素晴らしい。
あまり有名でない作品のため、岸田氏が参加していることもあまり知られていないようだが、一見の価値のある作画なので作画ファンの方には是非視聴されることをお勧めする。
ちなみに、岸田氏はアダルトアニメだと他にも「御先祖賛江」という作品に参加しており、こちらでもかなり目立った作画をしているのでお勧めだ。